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2011年2月13日 (日)

Bookレビュー2011-9 ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』(上)(下)

 

紀元1100~1200年ごろのヨーロッパ中世が舞台。

主人公バウドリーノが、自身の経験を歴史に残そうと、戦場で出会った歴史家二ケタスに話す物語が本書のストーリーとなっている。

 

少年バウドリーノはある嘘をついたことからフリードリヒ=バルバロッサ(赤髭王)に見出され、行動を共にすることになる。

あるときバウドリーノは、フリードリヒの家臣オットーから聞いた伝説の司祭ヨハネとその王国を目指し、友人と共に東方へと旅立つ。

その王国の麓まで辿りついたバウドリーノ一行は、伝説のとおり、一つ目の巨人などの生物がそこで暮らしているのを目の当たりにし、しばらくそこで生活を送ることになる。

しかし、そこに白フン族が襲来してくるのだった。

 

フリードリヒ、オットー、二ケタスなど、実在した人物が登場し、中世の都市国家の対立などが歴史書のごとく描かれる。また、ルネサンス以前の時代であるため、宇宙論や物理など、近代科学とは異なる世界観に基づいている。

一方、後半からは司祭ヨハネの王国(=当時まだ知られていないインド方面)を目指した未知の世界への冒険物語となる。

とはいえ、バウドリーノ自身が認めているように、バウドリーノは根っからの嘘つきでもある。つまり、そこで語られる冒険や伝説の生物が本当なのかどうかは、聞き手である二ケタスも、読者も、常に懐疑的でしかありえない。

しかし、奇しくもバウドリーノの最初の嘘、「聖バウドリーノ」の物語は、ほかならぬバウドリーノ自身によって実現することになる。

さて、歴史家二ケタスは、バウドリーノの物語を後世に書き記すのであろうか。

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