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2010年12月28日 (火)

BookレビューVol65 横田増生「潜入ルポ アマゾン・ドット・コム」

著者の横田氏が2005年にアマゾンの物流センターにアルバイトとして潜入し、その内部を暴露した『アマゾン・ドット・コムの光と影』の文庫版。文庫版にあたって、直近の5年間のアマゾンの動向について、大幅に加筆されている。

本書で取り上げているのは、大きく2点。

第一に、超秘密主義であるアマゾンという企業の実態や戦略について。

第二に、そこで働く人々の労働問題についてである。

そして、著者の感情は、この2点において自身の中で大きく対立する。

 

アマゾンの戦略や分析については、非常に的確である。

なぜ、アマゾンがここまで勢力を広げることができたのかという疑問の答えは、全てこの本に書かれている、と言っても良い。

そして、アマゾンユーザーとして、著者はアマゾンというサービスに非常に愛着を持っていることも分かる。

 

一方、物流現場で働くアルバイトとしては、その労働環境に対して問題を提起している。

1年続けるスタッフがほとんどおらず、働ければ誰でもいい、使い捨てと言っても良い待遇の中、著者は同僚のスタッフとの関わりの中で、アマゾンへの怒りを覚えていく。

 

ワンクリックで購入できるネットショッピングが増加している一方で、その注文品をピッキングし、梱包し、発送する、という単純作業の仕事が増加しているし、そのシステムの構築や管理のために、システム会社は、ひたすらプログラムを打つという単純作業や、24時間管理する、という体制を行っている。

ただし、アマゾンに関しては、Kindle戦略が、この状況を大きく変えていくことになるだろう。

電子データを掲載しておくだけのKindleであれば、物流を担っていた「使い捨ての人材すら不要」になるからだ。

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