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2010年12月 6日 (月)

BookレビューVol60 村上龍「逃げる中高年、欲望のない若者たち」

村上龍のエッセイ集。

内容そのものズバリのタイトルである。

今の日本を非常によく表しているし、「私にはどうすればいいのかわからない」と素直に書いているところも良い。

個人的には、中高年にはさっさとご退場いただきたい。少なくとも、意思決定や権力からは身を引いてもらわなければ困る。某ガス会社の人事担当が、学生からの「ガスはいつかなくなると思うんですけど、大丈夫ですか?」という質問に、「あと30年分はあるから大丈夫です」と答えたというのが象徴的だ。人間は利己的だから、「自分に関係ある間は大丈夫だったら大丈夫」という理屈で動くのは仕方がない。であれば、「自分に関係がある間」が一定以上長い人間を選ばなければならない。

また、バブル時代の年代(現在40~50歳くらい)も、はっきり言って期待ができそうにない。この年代で飛びぬけたビジネスパーソンの出現率は明らかに低い。みんな横並びで、周りに合わせていればなんとかなった時代を過ごした年代だからだろうと思う。

30~40歳くらいのいわゆる氷河期世代は、とても優秀だと感じる。というか、優秀な人しか勝ち残っていないのだと思う。この年代に期待したいが、上が詰まっているのが問題で、やはり中高年にはご退場願わなければならない。

20~30歳くらいの年代は、物心ついてからずっと経済停滞しているので、経済成長なんて信じていない。それでもモノはあふれているから、別に経済成長の必要性も感じていない。そもそも社会や大人に期待をしていない。だから投票も行かないし、年金も払わない。一方で、自力でなんとかしようという考えは強いし、ボランティア精神も強い。しかし、親がバブル世代のアホ親が多い。また、少子化で過保護に育っている場合もある。そういった事情が、欲望のない若者を生んでいる。

 

わたしは、欲望が希薄な若者たちに対して、情けないとか嘆かわしいとか可哀相だとか、そんなことは思わない。戦後の焼け跡を出発点とする欲望など長続きするわけがないし、飢えから脱したいという欲望は素朴なものなので、実際に飢えから脱してしまうと消滅してしまう。(P17)

社会の構造が高度経済成長期のままなので、若者たちは、どう生きればいいのかという基本的なことさえ、誰からも教えられることなく成長する。英語ができればなんとかなるかもとTOEICを受け、必死で資格を取ろうとして、営業職などでは外見も大事だと聞くと日焼けサロンに通ったりする。高卒では就職がむずかしいからというだけの理由で大学に行って、結局どうしようもない大学で何をどう勉強すればいいかわからず、卒業後は非正規社員になって派遣切りに遭ったりする。(P56)

だが共通しているのは、「自分にも周囲にもほとんど何もいいことはないし、これからもいいことは起きないだろうし、そんな状況を変えることもできないし、シリアスな悩みを相談できる人もいないし、喜びや悲しみを分かち合える友人も恋人もいないし、こんな状況はきっと半永久的に続くのだろうが、それでも集団自殺をしたり通り魔になって人を傷つけたりするのは良くないことだからやめようね」みたいなムードだ(P151)

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