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2010年10月 3日 (日)

BookレビューVol44 クリス・アンダーソン 「ロングテール」

ロングテール

ロングテール

価格:1,785円(税込、送料別)

ロングテールアップデート版

ロングテールアップデート版

価格:1,470円(税込、送料別)

「ロングテール」とは、市場においてごく少数のヒット商品が売上の大部分を占めるのに対し、「大多数のあまり売れない商品」のこと。

店舗型小売業では、限られたスペースに、限られた商品しか置くことができなかったので、基本的には「売れるものから順番に選ばれた品揃え」になる。

例えば、日本の書籍は数十万点の本が流通しているが、日本一の大型書店(いわゆる大型書店の2倍程度の大きさだ)でも、全てを置くことはできない。

さらに日本では、1年間に約6万点の新刊が発行されている。しかし、なにか新しいものを置こうと思えば、いま棚にある何かを外さなければならない。

結局のところ、よく売れるものだけが、店頭に並ぶ。流通はしていても、あまり売れないものは店頭に並ばない。並ばなければ、存在自体が知られることがない。

では、この「あまり売れないもの=ロングテール」はどれくらいあるのか?

そしてインターネットは、これまで店頭に並ばなかったロングテールに、なにをもたらすのか?

これが本書のテーマである。

本書では、ロングテールを3つのカテゴリに分けている。

1つめは、店舗内でのロングテールだ。書店内にも、良く売れるものと、あまり売れないものがある。店舗スペースを使うのだから置いているのに売れないのは困る。これは問題だ。そして、置いたら売れるかもしれない本があるのに、スペース不足でそれを置くことはできない。これも問題だ。だから、店舗では、テールに力は入れず、ヘッドを重点的に扱う。

2つめは、オンライン書店に代表される通販のロングテールだ。インターネット上の商品棚には物質的なスペースは必要がないので、商品はいくつでも登録できる。その商品を置くために、何か別の商品を外す必要はない。だから、売れる可能性があるなら、どんどん登録すればよい。しかし、あくまで物質としての書籍が在庫として必要である以上、在庫リスクは抱えている。

3つめは、電子書籍のような商品だ。こちらは、無限に商品を棚に登録できるだけでなく、製造する必要がないし、在庫というものが無い。たとえ1つも売れなくても、何も問題は無い。極端な話、売れるかどうかなんて気にする必要は無いのだ。そして、作り手も、出版社を通して流通させる必要がない。これにより、テール自体が、これまで以上にロングになることが考えられる。

100万冊売れる本がある。それは大事だ。けれど、1人しか買わない本が100万種類あっても、これまで、それは無視されていた。なぜなら、店舗型の書店には100万種類も置けないのだから。

けれど、インターネットという空間に100万種類を置けるようになった今、100万種類の本を1人ずつに売って100万冊を販売することも、1種類で100万冊売れる本と同様に重要になる。

これは書籍に限らず、情報技術の恩恵を受ける、あらゆる分野において言えることである。

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