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2010年5月 2日 (日)

BookレビューVol.18 吉田修一「パレード」

音楽で例えると、

5つの楽章(5人の視点)からなる管弦楽曲で、それぞれの楽章はそれなりに聞きやすいメロディが流れていて、決して明るい愉快な曲ではないけれど、「うん、悪くないな」、という感じ。

ところが全ての楽章には共通の通奏低音(バンドでいうベースライン)が使われていて、5楽章で初めてその低音が主旋律(メロディ)になり、「ああ、この曲の主題はこれだったんだ」、と気づかされる。

それは、4楽章まででもなんとなく感じていながら決して表には出てこなかった旋律で、それまでの4楽章が「聞きやすいメロディ」なのに「明るく愉快な曲ではない」のはこの通奏低音のせいだったのだ。

最後まで聴き終わったあと、2回目を聴くと、知ってしまった低音が1~4楽章でも主張して、少し違った感じで聴けるだろう。

そういう小説。


-----本文のひとつまみ-----

「う、うん、そんなこと言ってたけど…」
「ねぇ、私も乗せてってもらえないかな?」
「東京に?」
「そう。東京に」
「行ってどうすんの?」
「苦しむのよ」
「は? 苦しむ?」
「そう。苦しむの」
 その男の子は首を傾げながらも、一応お兄さんに連絡をとってくれた。ただ、その後一切、私のそばへは寄りつかなかった。

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