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2010年2月11日 (木)

BOOKレビュー Vol.11 「知をみがく言葉 レオナルド・ダ・ヴィンチ」

<ルネサンス>は<再生>という意味だと学校で習うけれど、何が<再生>なのかご存知だろうか。
 
それ以前の人間は、キリスト教会による宗教的な価値観に支配されていた。例えば、中世の絵画では、今ではあたりまえの、近いもを大きく、遠いものを小さく描く「遠近法」が存在しなかった。その代わりに、偉大なもの(例えばイエス)が大きく描かれていた。つまり、その時代の絵画とは観念的なもので、現実とは別ものだったのである。

それを打ち破ったのが、「遠いものは小さく見える」という現実に対する観察であり、ここで遠近法が生まれた。しかし実は、遠近法は、キリスト教以前の古代には存在した表現技法である。だから、<再生>なのだ。これは絵画に限らない。それまで教会の教えに疑問を持たず、言われるがままに信じてきた人々が、自分で見たものを信じるようになり、<人間として再生>したのが<ルネサンス>である。

特にレオナルド・ダ・ヴィンチは、この<観察>に非常に優れていた。例えば、<大小による遠近法>とは別に、「遠くのものは、ぼやけて見える」という観察から、<空気遠近法>という絵画手法を編み出した。

レオナルドは同時に、科学者でもあった。自然への観察から、自然法則を見つけ出し利用することを考えた。自転車や飛行機の原型のスケッチが、その手記に現れている。ライト兄弟が飛行に成功する300年以上前の話である。

本書は、そのレオナルドの有名な手記から言葉を取り出したもので、編者により芸術、科学、人生の3つのカテゴリに整理されている。

-----本文のひとつまみ-----

<芸術>
目は、全世界のあらゆる美を捉える。それは誰にもわかるだろう。人類のあらゆる技術、芸術を吟味し、進歩させてきたのも目だ。数学も、科学も、目なくしては絶対にあり得なかった。発見された星までの距離、星の大きさを測ったのも目、その組成、位置を知ったのも目である。建築や、崇高なる芸術、絵画を生み出したのも目だ。かの遠近法も、目が生み出したものである。

<科学>
鳥は、数学の法則に従って機能する一種の機械である。この機械は、人間の能力によって再現のできるものである…それだけの力は持っているのだが、足りないのは釣り合いを保つ力だ。人間の作る機械に足りないのは、鳥の命だけだと言ってもいいかもしれない。

<人生>
実のところ、深い愛情というのは、愛する物事に対する深い知識から生じるものである。知らないものはまったく愛せないか、愛せたとしても十分深くは愛せないだろう。

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