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2009年12月31日 (木)

BOOKレビューVol.4 アラビア夜の種族(1)(2)(3)

   

「19世紀に作られた」ということしか分かっていない、著者不明の小説(説話集?)。
著者不在であるがゆえに、著作権がなく、世界中で翻訳されているという。しかし、邦訳はこれが最初だそう。
(詳細は、三巻のあとがき「仕事場にて」を参照)

ナポレオンのエジプト侵攻を防ぐため、毎夜、古代の物語である「災厄の書」の翻訳をする、というのがこの物語の柱である。

1巻では、
醜悪なる王子「アーダム」、
2巻では、
正統なる王子でありなが捨て子である「サフィアーン」と 、
白き魔術師「ファラー」
を主人公とし、2巻の後半から、それぞれの物語が交錯していく。非常に複雑な構成ながら、最後はすっきりとまとまる。

---本文のひとつまみ---
 イスマーイール・ベイは喉の奥でさながら困惑した犬のようにグゥとうなった。
「一冊でありつづけようとする書か」
「さようで」 とアイユーブは応じた。

 両者は視線を錯じらせて対話する。

「閣下ならば用意に理解されることと想いますが、いい換えるならば、稀書としてありつづけようとする書物の意思です」
「意思か」
「美しい書物だけが具える意思です」
「美か」
「さようで」


-----あとがきより-----
読者には、この三巻めから読みはじめられてもかまわない、と告げておこう。あまりにも不敵な発言かもしれないが、順番は自由だ。読まれればそれでいい。繰り返す。紐解いているのは、あなたであり、あなただけがこの本と邂逅(かいこう)している。

あらゆる夜を生きよ。
 
 
 

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